インソール、足底板療法とは?
当院で扱うインソール、足底板療法は中敷を専用のパッドで補強し、足が本来備えている衝撃吸収性の回復をはじめとする足の機能改善を目的とし、足を起点とする全身の構造的バランスを安定的に保持させるものです。
足部の問題が与える影響は、足そのものにとどまりません。足・足首や膝、場合によっては股関節や腰にまで影響します。インソール、足底板療法は足部から起きる全身の問題を解消し、身体機能を正常に維持する効果があります。
最近では、スポーツでのパフォーマンスを改善させる手段としても注目されています。
インソールの適応は?
足や膝に痛みがある場合や、歩きにくさがある場合に適応となります。主に扁平足、足底筋膜炎、外反母趾、アキレス腱炎、シンスプリント、靭帯損傷、変形性膝関節症、前十字靭帯損傷、内側側副靭帯損傷、半月板損傷などで適応となります。
インソール作製にかかる時間は?
初回は問診や検査が中心で、2回目以降に実際のインソール作製を開始します。一度仕上げたインソールを1週間使用して頂き、違和感や痛み等がなければカバーをかけて完成です。そのため、作製し始めてから最短で1週間で完成します。
一度の調整でかかる時間は1時間前後ですが、インソール作製を開始する日は特に時間がかかり約1時間半です。
* 1週間の使用で不具合があった場合は調整し直しますので、更なる調整に時間を要することがあります。
インソールにかかる費用は?
インソール作製には専用のパッドと中敷きを購入する必要があります。中敷きとパッドのセットは8020円、着用している靴の中敷きがそのまま使える場合にはパッドのみで6041円となります。どちらも院内のコンビニで購入することができます。また、インソールの作製、調整はリハビリテーション科で実施しますので、その際に別途の費用がかかります。
インソール、足底板作製の流れ
まずは整形外科での診察が必要です。整形外科にてインソールの適応と診断された後は、整形外科の裏側にあるリハビリテーション科でインソールを作成します。
1.問診
患者さんの症状や困っていることを問診で聴取し、問題となっている足部の障害の情報を集めます。
2.歩行の検証
患者さんには、裸足での歩行と靴を履いての歩行の二通りを実施していただきます。歩行時のふらつきや、姿勢を観察し問題点を明確にします。場合によってはビデオで撮影し、インソール装着前後の歩行を患者さん自身が見比べることもできます。
3.足型の記録
足型の記録には専用の道具、フットプリンターを使用し立位時と歩行時の足型をとります。足型をとることで、重心のずれや異常な圧の集積がないかを調べます。裸足で足型をとりますが、足が汚れることはありません。
足型はインクを使用してとりますが、 直接インクが肌に触れないようになっています。 |
足型の色の濃い部分が 圧の集積があるところです。 |
4.パッドの貼り付け・マスキング
今までの情報をもとに、患者さんの足や歩き方に合うようにパッドを貼り付けていきます。足の形やかかえている問題は人それぞれですから、パッドの貼り付け方も一通りでなく、仕上がりもひとつひとつ異なります。
インソールはバランスをとるためにも基本的に左右一対で作成します。
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インソールを装着し、立った姿勢と歩く姿勢をチェックします。
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無駄な部分をカットして形を整え、1週間使用して頂きます。
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違和感や痛み等が生じなければ、カバーをかけて完成となります。